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HIROMI YOSHII

トレイシー・ナカヤマ|ウィー・アー・オール・ワン

トレーシーナカヤマは、1974年生まれ。ハワイ、ホノルルに生まれ育った“ハパ・ハオール(Hapa Haole―白人・日本人のハーフの意)”。
大学卒業後、ここ5年間でニューヨークやカルフォルニアだけでなく、カナダ・ドイツ・ベルギーなどでの数々の展覧会に参加してきた。今春はP.S.1MOMAにて個展を行うなど、現在のニューヨークのアートシーンで最も注目されている若手作家の1人である。
海と太陽、そしてサーフィンや水兵たちの中で明るく陽気な、リラックスした環境の中で育った彼女のテーマは、食べることや寝ること、そして呼吸することのように自然な愛情表現としてのセックス。
2004年作の“Seated”は、小さな椅子と花柄のクッション、そして登場人物の女の子という、作品のたたずまいを構成するミニマルの要素で描かれていながらも、彼女が夢中になっているインティメイトな瞬間に私たちは引き込まれてしまう。
ナカヤマのドローイングは、日に焼けたようなベージュ色をしたフランス製のデッドストックの紙に、金箔を混ぜることもあるという赤と茶色の秘伝のインクを使って描かれる。どこか懐かしい感じがするそのインクの色は、レトロでもノスタルジックでもない、居心地の良い自然な土の色をしている。
そこに登場するのは、特に格好良いわけでも綺麗なわけでもないごく普通の容姿の若者たち。
ナカヤマは、彼らが真裸になって子供のように無邪気にセクシュアルなたのしみに耽っている瞬間を切り取って描き、彼らのたのしみを私たちに分かち合わせてくれる。そして、私たち現代人に、鎧をぬいでよりシンプルに個人的な欲求を感じることの必要性を教えてくれる。